プログラマブル・パルス・ジェネレータの製作

                                                                   豊田朋範        分子科学研究所  装置開発室
  NMR(核磁気共鳴装置)の制御用にパルス・ジェネレータの製作依頼があった。このような場合、パルスジェネレータを複数
台用意するのは場所を取るし、パルスの設定を変更するのが煩わしい。そこで、使用者が任意に設定したパルス系列をメモリに記
憶し、内部の水晶発振器を基準クロックとして、メモリ内のデータを読み出しながらパルスを出力するディジタル方式のプログラ
マブル・パルスジェネレータ(以下PPG:Programable Pulse Generator)を製作することとなった。
  PPGの仕様を表に示す。PPGでは最小100nsec 単位でパルス幅を設定できるが、ある出力から次の出力までの空白期間(デ
ッドタイム)内に必要なデータと信号を供給する必要がある。出力誤差の低減のためにはこの期間が極力少ないことが望ましい。
また、PPGの制御はPC98のプリンタ・インターフェースを介して行うが、限られたデータビットで必要な制御信号とパルスデ
ータを送信する必要がある。今回は、これらの問題を解決するための工夫点に焦点を絞って発表を行う予定である。