アバランシェ・パルサの高速化(Ⅴ)
京都大学原子炉実験所 技術室 高見 清
アバランシェ・パルサの高速化に取組んで、今年で7年になる。一昨年にアバランシェ・パルサ
の高速化手法として、多段伝送線式パルス発生器を提案し、昨年、実用的なパルス波形の発生に成
功した。そして、今年度の課題を「使えるパルサの製作」とし、SPring8(高輝度光科学研究セ
ンター)線形加速器の電子銃駆動用パルス発生器の予備として依頼を受けたパルサの製作中である。
当初、実装方法とタイム・ジッタの改善で「使えるパルサ」
が作れると予想していた。しかし、実際に製作に入り、従来か
ら提案していたエージング効果に関する思い違いが判明した
り、トランジスタの破壊、ミス・トリガ、波形の振動が大きい
等の問題が発生し、現在、再検討・製作中である。
本研究会では、高圧超高速パルサ製作上の know how として
(1)トランジスタの選択や選別方法、注意事項 (2)伝送線の長
さなど全てを報告し、このシリーズの発表を終わりにしたいと
考えている。
図1.現在、テスト中の波形(振動は大きいが、立ち上がり時間は100pSを切っている。)