受け入れ技術研修

　1995年度より、施設系技官（現在は技術職員）の活性化のために、他大学、研究所の技官を一定期間、分子研の付属施設に受け入れて、技術研修を行うことを始めた。分子研を含む大学共同利用機関では，全国の研究者間の交流が共同研究等を通じて日常的に行われており、それが双方の研究者の活性化に大いに役立っている。同じ様なことが技官間で行うことができれば，技官の活性化につながるであろう。これを期待して，当時の伊藤光男所長の配慮により，技術研修制度の試みが始められた。これは派遣側，受け入れ側双方にとって非常に好評であった。

　しかしこの試みが分子研だけのものでは，その効果には限界があり，また分子研の技官も外へ出て研修する機会を持たなければ，真の活性化にならない。そこで1996年度に同じ大学共同利用機関の高エネルギー物理学研究所（現，高エネルギー加速器研究機構），核融合科学研究所，国立天文台の技官の責任者に趣旨を説明し，各研究所に技術研修のための技官受入体制を作ってもらうことを提案した。各責任者から賛同を得て，1996年度から国立天文台、1997年度から高エネルギー加速器研究機構，1998年度から核融合科学研究所で実施された。

　法人化後は、相互の受け入れ態勢の整備が整っていないことと、受け入れ側の負担や、新しい技術の獲得に寄与していないため、実施件数が少なくなってきた。そこで、2008年度にはセミナー形式で外部より講師を招き、併せて他機関の技術職員も交えて「技術課セミナー」を行った。さらに「超精密加工技術」に関連した講師を大学および民間からお願いし、技術講演と共に技術職員研修を行っている。従来の受け入れ研修も小規模ながら続いている。

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