第19回分子科学研究所技術研究会
研究会の主旨
本研究会は、大学、高等専門学校及び大学共同利用機関等の技術者が、日常業務で携わっている 実験装置の開発、維持管理の話題から改善、改良の話題に及ぶ広範な技術的研究支援活動について 議論する場を提供します。内容としては、特定の技術分野にテーマを絞り、登壇者と参加者の充実 した討論とともに、技術者の交流及び技術向上を図ることを目的としています。
開催日時
平成 30 年 2 月 8 日(木)、9 日(金)
開催場所
自然科学研究機構 岡崎コンファレンスセンター
参加登録
別サイトで参加登録を行なっています。
https://registration.ims.ac.jp/tech2017/
討論テーマ
第1:FPGA(Field Programmable Gate Array)
「HDL と FPGA 開発の理想と現実」
大規模なロジック回路を集積できる FPGA が電子機器に普及して久しいですが、大学や研究所で
は必ずしもそうとは言えません。体系的・長期的な取り組みが難しい、 HDL (Hardware Description
Language) 教科書の記述を組み合わせてもバグが出る、デバイスの挙動が見えなくてバグの原因が
掴めない、などなど様々な問題が山積しています。
本研究会では、前年度の技術討論会に引き続き、教育現場における FPGA 教育の課題、業務で遭
遇した「文法は正しいが思うように動作しない」トラブル事例、ならびに現場で出された
FAQ(Frequently Asked Questions)や RAQ(Rarely Asked Questions)を挙げ、参加者で提案や議論
を行い、実際の回路として PLD(Programmable Logic Device)を円滑に動かすためのノウハウの
蓄積を図ります。
第2:微細加工技術(リソグラフィ)
「ゾーンプレートの製作を考える」
微細加工技術の一つにリソグラフィがあります。リソグラフィは、集積回路の微細化、高集積化
を牽引してきた技術ですが、マイクロ・ナノレベルのパターン構造を形成できる点から、微細な構
造を有する流路や光学素子の製作にも利用されています。
本研究会では、高度な加工技術を要するナノレベルのゾーンプレートに焦点を当て、製作におけ
る課題について意見交換を行うことで、ナノ加工に関する技術情報の共有と微細加工技術の向上を
目指します。
第3:工作技術
「次世代へ継ぐ基盤技術」
溶接、ロウ付け、熱処理、真空リークテストなど、これらの基盤技術は装置製作では不可欠な技
術ですが、装置を自作することが少なくなったことや、アウトソーシングなどにより必要とされる
場面が少なくなってきました。また基盤技術に習熟した世代が少なくなり、次世代に伝え継ぐこと
が難しくなってきています。これらの技術は、ものづくりにとって必要な技術か?大学や研究機関
における重要な装置開発技術とは?タウンミーティングにより若手・ベテランすべての立場から意
見交換を行い、今後の大学研究機関の工作室のあるべき姿を考えます。
プログラム
2月8日(木)
12:00-13:00 | 受付 |
13:00-13:10 | 開会式 |
テーマ1:FPGA「HDLとFPGA開発の理想と現実」 | |
基礎セミナー | |
13:10-13:30 | 「HDLの変遷-ロジック回路開発のこれまでとこれから」(分子科学研究所 豊田朋範) |
13:30-14:00 | 「未定」(Xilinx [予定]) |
14:00-14:05 | 休憩 |
講演1(座長:分子科学研究所 豊田朋範) | |
14:05-14:35 | 「HDLを書かないFPGA設計」(東京大学物性科学研究所 伊藤功) |
14:35-15:05 | 「FPGAでの非同期信号の扱い方とVivadoによるサポート」(筑波大学 小野雅晃) |
15:05-15:25 | 休憩 |
講演2(座長:筑波大学 小野雅晃) | |
15:25-15:55 | 「Vivadoにおけるインスタンシエーションのコツ」(東京大学 八幡和志) |
15:55-16:25 | 「Vivadoにおける高速ディレイゲートシステム開発の諸問題」(分子科学研究所 豊田朋範) |
16:25-16:45 | 休憩 |
16:45-17:35 | テーマディスカッション(FPGA) |
2月9日(金)
テーマ2:フォトリソグラフィー「微細加工技術~ゾーンプレートの製作を考える~」 | |
9:00-9:05 | はじめに(テーマ2についての説明) |
基礎セミナー | |
9:05-9:20 | 「リソグラフィ技術の紹介」(北海道大学 笠晴也) |
講演1 | |
9:20-9:40 | 「軟X線領域用ゾーンプレート製作への期待」(分子科学研究所 大東琢治) |
9:40-10:00 | 「硬X線用フレネルゾーンプレートの利用と求められる性能」(SPring-8 竹内晃久) |
10:00-10:10 | 休憩 |
講演2 | |
10:10-10:30 | 「リフトオフによるゾーンプレートの製作」(分子科学研究所 高田紀子) |
10:30-10:50 | 「新規位相差コントラスト電顕法のための電子線フレネルゾーンプレートのFIB加工」
(生理学研究所 富田雅人)
|
10:50-11:10 | 「エッチングによるゾーンプレート製作の可能性-そのメリットとデメリット-」
(東京工業大学 松谷晃宏)
|
11:10-11:20 | 休憩 |
11:20-12:10 | テーマディスカッション(フォトリソグラフィー) |
12:10-13:10 | 昼休憩 |
テーマ3:「次世代へ継ぐ基盤技術」 | |
13:10-14:10 | パネルディスカッション (座長:東京大学生産技術研究所 谷田貝悦男) ※パネリスト 岡田則夫(JAXA先端工作技術グループ/国立天文台) 大渕喜之(国立天文台 先端技術センター) 小林和宏(名古屋大学 全学技術センター) 武田洋一(岩手大学 高度試作加工センター) 涌井勇輔(東京大学 生産技術研究所) |
14:10-15:40 | フリーディスカッション (座長:国立天文台 鈴井光一) |
※1. テーマ1は講演時間30分で講演と講演についての討論時間を含みます。
※2. テーマ2は講演時間20分で講演と質疑応答を含みます。各講演についての討論はテーマディスカッションでお願いします。
※3. 併設イベントとして、FPGA関連展示会を8日(木)の14:00-18:00で行う予定です。