第20回分子科学研究所技術研究会

研究会の主旨

 本研究会は、大学、高等専門学校及び大学共同利用機関等の技術者が、日常業務で携わっている実験装置の開発、維持管理の話題から、改善、改良に及ぶ広範な技術的研究支援活動について議論する場を提供します。内容としては、特定の技術分野にテーマを絞り、登壇者と参加者の充実した討論とともに、技術者の交流及び技術向上を図ることを目的としています。

開催日時

平成31年2月7日(木)、8日(金)

開催場所

自然科学研究機構 岡崎コンファレンスセンター

参加登録

別サイトで参加登録を行なっています。

https://registration.ims.ac.jp/tws2018/

当研究所では旅費の支給をいたしません。貴学(貴機関)で負担して下さるようお願いいたします。

討論テーマ

第1:回路分野

「研究教育現場におけるエレクトロニクス技術の現状・経験・課題

 研究教育現場での実験や測定、制御においてエレクトロニクス技術は普遍的に使用されている。一方で定数削減や高齢化、技術内容の先鋭化などで、エレクトロニクス分野における技術職員は減少の一途をたどると共に、先人の貴重なノウハウや技術が継承されぬまま退職に伴って失われている現状がある。また、個人が希求する技術分野が研究教育現場で求められるものと乖離し、技術職員はともすれば本来の職務に必要とされない技術を興味本位で追い求める状況もある。
 本研究会では、エレクトロニクス分野における研究や教育現場への取り組み、またそこで発生したFAQやRAQなど各技術者が独自に保有する知見やノウハウを持ち寄り、ここが抱える課題について討論し、問題解決やより良い方向性を探ることを目的とする。またそれと同時に、これらの情報を共有し洗練する機会とする

第2:工作分野

「教育研究を支える先進工作室の姿と技術の継承」

 昨年度の技術研究会では「熟練の基盤技術」(溶接やロウ付け、汎用機械工作など)について、各世代のパネラーからその必要性および継承の取り組みになどについて発表いただき討論を行った。その中で人員の減少、常に新たな技術への取り組みへの必要性などから、基盤技術に熟練する環境がなく継承も困難との意見が多く挙げられ、深い熟練度は必要ないが技能の存在を知識ベースで持ち、最低限の技は獲得しておくべきとの見解で締めくくられた。
 では、装置開発・工作技術に必要とされる「先進的なものづくり技術」とは?
今回の研究会では、新たなものづくり技術、設計ツールなどをどのように活用しているのか?
今後どのような技術が必要とされるのか?
各機関での取り組み・現状について紹介いただき、教育研究を支える大学研究機関の工作室の将来像、技術者像について考えます。

講演プログラム

2月7日(木)

12:00-13:00 受付
13:00-13:10 開会式
テーマ1:回路分野「研究教育現場におけるエレクトロニクス技術の現状・経験・課題」
基礎セミナー(座長:東京大学 八幡和志)
13:10-13:30 「研究現場と市販品計測器等の間にあるニーズを考える」(岩手大学 千葉寿)
13:30-14:00 「実験現場の課題の解決に向けた電子機器の開発事例」(分子科学研究所 豊田朋範)
14:00-14:05 休憩
講演1(座長:分子科学研究所 豊田朋範)
14:05-14:35 「実験環境におけるノイズ対策」(東京大学 八幡和志)
14:35-15:05 「コンポーネントとしての電気分野を考える - モジュール化と流用」(分子科学研究所 木村和典)
15:05-15:25 休憩
講演2(座長:東京大学 八幡和志)
15:25-15:55 「PSoCを用いた回路設計の検討」(神戸大学 松本香)
15:55-16:25 「高速ディジタル回路とアナログ回路の共存におけるクロストークとその検討」(分子科学研究所 豊田朋範)
16:25-16:45 休憩
16:45-17:35 テーマディスカッション(座長:分子科学研究所 豊田朋範)

2月8日(金)

テーマ2:工作分野「教育研究を支える先進工作室の姿と技術の継承」
 9:00-10:15 パネルディスカッション(座長:東京大学生産技術研究所 谷田貝悦男)
  パネラー
・高エネルギー加速器研究機構 保住弥紹
 「5軸加工機の有効活用と基礎知識」
・北陸先端大学院大学 宇野宗則
 「JAIST工作室の紹介と設計試作、学生教育における現状について」
・北海道大学 武井将志
 「GFC試作ソリューション事業の取り組みについて」
・宇宙航空研究開発機構(JAXA) 中坪俊一
 「JAXA宇宙研先端工作技術グループの紹介と今後の展開」
・名古屋大学 立花健二
 「歴史から考える、大学技術者の”これまで”と”これから”」
10:15-10:30 休憩
10:30-12:00 フリーディスカッション(座長:国立天文台 鈴井光一)

※テーマ1は講演時間30分で講演と講演についての討論時間を含みます。

問い合わせ先

下記のコンタクトフォームをご利用ください。
https://registration.ims.ac.jp/tws2018/contact